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料理用バナナを食べてみよう!

2012年12月09日
投稿者:亀井伸孝

教員の亀井(文化人類学)です。仕事柄よく訪れる、アフリカの食材の話題を提供します。

バナナ。私たちにとって身近な食物ですが、世界には多様な種類があり、多様な調理や食事のしかたが見られることをご存じでしょうか。今回は「料理用バナナ」およびその食べ方を紹介します。
■プランテンバナナとは
料理用バナナは、「プランテンバナナ」と呼ばれることもあります。私たちが知っている甘いバナナとは、以下の点で異なります。

1) まず、でかい。
2) 甘くない。正確に言えば、甘くなる前に食べる(日が経つと熟して甘くなります)。
3) 生では食べない。必ず加熱調理して食べる。

でかい!

plantain_size.jpg

■アフリカ現地でのバナナの食べ方
私は仕事で熱帯アフリカに調査に行きますが、現地でプランテンバナナをよく食べます。この夏休みの経験で言えば、1日3食のうちの2食くらい、つまり現地での食事の70%くらいをこれに頼っていました。帰国したら3キロやせていたので、ダイエットにもいいかもしれません。

プランテンバナナは、デザートやおやつではなく、れっきとした主食です。バナナを主食に、他のおかずを食べる。これが、現地でのありふれた食事の風景です。

アフリカで広く利用されているプランテンバナナですが、実はアフリカ原産ではなく、東南アジアに由来しています。アフリカに伝播したのは比較的新しい時代なのですが、栽培、調理、食事ともにアフリカの文化にすっかり溶け込んだ植物・食物となりました。

プランテンバナナの畑
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バナナのある風景。森の集落で見る女たちの調理場です。
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皮をむいたバナナ。山盛りです。左はバナナ皮むき用のへら。plantain_peeled.jpg

ゆでたプランテンバナナ(左)。右はイモムシのソースです。森の集落で。
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油であげたプランテンバナナ(右)。町のレストランで。
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たき火で焼きバナナ。子どものおやつです。
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臼と杵でついたプランテンバナナの団子(右)。左はヤシ油のソース。これも森の集落でいただきました。
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■名古屋で見つけたプランテンバナナ
さて、このプランテンバナナ、日本ではなかなか手に入らないのですが、最近、名古屋市内のスーパー(イオン熱田店)で買えることが分かりました。名古屋在住のコンゴ民主共和国出身の知人が、そのことを教えてくれたのです。

この店にあるのは、アフリカから輸入されたものではなく、フィリピン産のものです(フィリピン名「ツンドク」)。しかし、その味はコンゴの知人も太鼓判を押すもので、彼も時どき予約してまとめ買いしていると言います。

私もさっそく仕入れて、国際関係学科の学生有志たちと食べてみることにしました。

■材料(例: 4人分)
大ぶりのプランテンバナナ 2本
お好みのソース 適量(後述)

■食べ方
【手順1】皮をむく
【手順2】加熱調理する
【手順3】ソースを添える
【手順4】いただく

【手順1】皮をむく
固いプランテンバナナの皮は、手ではむけません。包丁で縦に切れ目を入れ、しゃもじでべりべりっとむきます。分量については、大きめのバナナ1本で、2人がお腹いっぱいになるほどの主食になります。皮むきはわりと時間がかかるので、パーティを準備する時は計画的に。
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plantain_peeling.jpg

【手順2】加熱調理する
(1) ゆでる、(2) 油であげる、(3) 直火で焼く、どれでもいけます。香ばしいのは、サラダ油であげるフライドバナナですが、カロリーが気になる方にはゆでバナナもおすすめ。アルミホイルで包んで、たき火で「焼きバナナ」をしても楽しいですね。食べやすい大きさにスライスしたバナナを加熱し、菜箸がスッと通るくらいに柔らかくなったらできあがり。
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【手順3】ソースを添える
おかずとなるソースを添えます。アフリカでは、トマトソース、オクラのねばねばソース、イルビンギアナッツの香ばしいソース、ヤシ油のソース、ピーナツソースなど、さまざまな味と合わせていただきます。バナナは自己主張しない食材なので、どんなソースでも合うようです。

日本のありふれた食材で作るなら、たとえば、パスタのトマトソースを作る要領で。オクラ、鶏肉、タマネギなどを炒め、トマトペーストで煮込んで、塩とコンソメで味付け。ピリッとしたトウガラシ味を付けると、熱帯アフリカ風になります。
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面倒くさい時は、レトルトのカレーをかけて食べることも。ええ、十分おいしくいただけますよ。
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【手順4】いただく
さめないうちにいただきましょう!
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■煮っ転がしに大学バナナ、おでんにも!?
実際に食べてみると分かりますが、食感は「ほぼイモ」です。ですから、イモ料理のイモのポジションにバナナを代入することで、無数の新しいレシピが考案できそうです。

たとえば、サトイモの代わりに、しょうゆとみりんで「バナナの煮っ転がし」。
ポテトの代わりに、つぶしてマヨネーズとコショウであえて「バナナサラダ」。
サツマイモの代わりに、甘い蜜をからめて「大学バナナ」。

カレーやピザの具材にしてもいけるかも。この冬、私はこのバナナをおでんに入れてみようかなと画策しています。そう、おでんのほくほくおジャガの感覚です。昆布のだしがほどよく効いて、うまそうだ!

…まあ、ここまでくるとアフリカの食文化とはかけ離れてきますが、とても応用の効く食材です。日本の家庭の食卓に普及していないのが、もったいないと思えるほど。

日本でプランテンバナナを扱っているお店は、非常に限られます。多くの人がふだんから買うポピュラーな食材になれば、もっと多くのお店が扱ってくれることでしょう。

町の八百屋やスーパーの店頭に、プランテンバナナがふつうに並ぶ日がくるといいなあ。長年プランテンバナナとともにアフリカで暮らしてきた私は、そう願いながら、まずは国際関係学科のなかでバナナ料理の普及活動に勤しんでいます。

■協力
国際関係学科フィールドワーク・フェスタ参加者のみなさん
アラビア語研究会のみなさん

編集担当:菅野航平
ススメ | コメント(7) | トラックバック(1)
コメント
No title
初めまして~
インド料理にも料理用バナナを使ったレシピがたくさんありますよ。
私が住んでいる安城市にもたまに売っています。
ブラジルやインドネシアの方が多い地域だからでしょうか。
それにしてもイモムシのソースは強烈ですね(笑)
インド料理ですか!
調べてみて、辛そうでなければ挑戦してみようと思います(*^^*)笑

探してみると、
身近な所でも手にすることができるんだなあって思いました。

料理用バナナ、魅力的ですね!
イタリアから飛んできました
はじめまして。調理用バナナのレシピを求めてイタリアから飛んできました。イタリアはアフリカからの移民が多く、よくこのバナナを目にします。思いがけなく一本頂いたのですが調理ほうが全くわからずこちらにたどり着きました。参考にさせていただきます。気になったのが栄養素です。主食になるくらいですから栄養満点?普通のバナナと同じような栄養素なのでしょうか?
No title
コメントありがとうございます!
我が学科の先生が、このバナナを調理して、みんなで食べることがしばしばあります。
基本的には生のままでは食べられないので、加熱調理は必須です。

栄養素ですが、わたしも詳しくなかったので調べさせていただきましたo(^▽^)o

調理用バナナは炭水化物の供給源となっていて、アフリカなどでは主に主食として食べられています。
たんぱく質や食物繊維も豊富に含まれているようです。

ざっくり言うと、調理用バナナは主食、普通の生食用バナナはデザートや果物、というくくりみたいです。


こんなかんじでいかがでしょうか…(・_・;
拙くて申し訳ありません。
調べてみると、レシピもでてきたので、ぜひ美味しく召し上がってください!
調理用バナナ
日本で調理用バナナ専門に販売しています。当社のFacebookやブログで写真素材や、各国料理などご紹介しています。

遊びに来てくださいね!
https://www.facebook.com/DemikoPlantain
マトケ
こんにちは~!!
今日の朝のNHK『あさイチ』の番組を見て、メールしました。
このページは2012年のもののようなので、目に留まるかどうか・・・と思いながらメールしています。

私は先月まで、ケニアに行っていました。
調理用バナナは『マトケ』と呼ばれ、私も大好きです。
私はマサイ族の中にいたのですが、教えてもらったのは、キスイ族に教えてもらった調理法です。
①バナナの皮をむいて、水にさらします。
②玉ねぎをみじん切り、トマトをさいのめ切りにします。
③多めの油で玉ねぎを揚げる様に炒めます。
④玉ねぎの所へトマトを入れ、トマトの形が無くなるまで加熱します。
⑤油と玉ねぎとトマトが混ざり合って、ソースのようになったら、水からあげたバナナを加え、加熱します。必要に応じて、少し水を入れます。火が通ったら、出来上がり。
作ってみてください☆

>まほみさん
まほみさん、お返事が遅くなり、申し訳ありません。

この度は「あさイチ」をご覧頂いて、当ブログにアクセスいただいたようで、誠にありがとうございました。

先月までケニアにご滞在だったのですね。
私は東アフリカに関しては疎いので、そちらでは「マトケ」と呼ばれていることは存じませんでした。
ご紹介いただいた、キスイ族のレシピ、いいですね!とても美味しそうです。今度是非チャレンジしてみたいです。

コメント・ご教授ありがとうございました。
またのアクセスをお待ち申し上げております。

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